つくばね

筑波山の誕生伝説 ?常陸国風土記?

 西暦717?724年に書かれた「常陸国風土記」は次のような冒頭で始まります。

 

  常陸の国司の報告。古老が代々伝えてきた昔語りの事どもについて。

 

 ここではこの風土記の「筑波の郡」に書かれた筑波山誕生の神話を現代のお話風にアレンジして紹介いたします。 原文は適当と思われる本を「参考文献」のページに書いておきましたので興味のある方は読んでみられると面白いかもしてません。

 

 内容の大筋は変えていないのですが原文が富士山を愛する方には気になる部分もあると思います。

 

 筑波山びいきの1300年前の人たちの書いた素朴な神話ですのでどうかご容赦ください。 ちなみにこの頃の富士山は噴火のない穏やかな山だったそうです。 きっとその姿も現在の富士山とは随分違ったことと思います。 

 

 富士山は平安時代に入ると突如として噴火し、それに伴い今度は恐ろしい神として様々な民話、神話の対象となったようです。

 

 

神様たちの時代のお話です

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 これは昔々、世の中がまだ混沌としていた頃、そう、神様たちの時代のお話です。

 

 あちこちの神様の所を旅して回っていた母なる神様が、静岡の富士山に到着する頃には日はもうとっぷりと暮れてしまいました。 そこで母なる神様は自らが作った子供たちの中でも一番のお気に入りだった娘の富士(福慈)の神のところへ泊まって休ませてもらおうと頼んでみました。 

 

ところがどうでしょう富士の神の言うには

 

「今日は年に1度の収穫祭の儀式の最中です。 この間は1週間断食をしなくてはなりませんし、また誰にも会ってはならないことになっております。 ですから残念ながら母なる神様といえども、お泊めすることはできません」  

 

 我が子からこのような冷たい言葉を聞いた母なる神様は恨み、泣き、ののしって

 

「私はおまえの親なのですよ。 日も暮れてしまったというのに疲れ果てて訪ねてきた母を、どうして泊めてもくれないのですか。 こんなに冷たい娘だったなら、おまえの住んでいる山はこれから未来永劫にわたり冬も夏も、雪と氷に閉ざされて、寒さ冷たさが絶え間なく襲いかかる山にしてやる。 酒を捧げる者、食べ物を捧げる者、そして誰ひとりとして近寄る者すらいない山にしてやる」

 

と言いました。 

 

 自分の作った中でも最も美しく気高く、なによりも気に入っていた娘であった富士の神の、そのむごい仕打ちにすっかりと気を落としてしまった母なる神様は道を変えて、今まであまり気にかけていなかった筑波山の神のところにやってきて、同じように一夜の宿を頼みました。 

 

すると筑波の神は、

 

「今日は1年で最も大事な収穫祭の儀式のある日ですが母なる神様をお泊めしないわけにはまいりません」

 

と答えてうやうやしく挨拶をした後、食事やお酒を振る舞い、それはそれは丁重にもてなしました。 このもてなしをうけて母なる神様の心はすっかり晴れ晴れしくなり、歓びそこで歌をよまれました。

 

 いとしい我が子よ 高い筑波の嶺の神の宮よ  

 

 天地と共に 月日と共に変わることなく

 

 人々が集い 食べ物も豊かに 

 

 そしてそれが永遠に続くように

 

 そしてそれが日増しに栄えるように

 

 永遠に幸せと楽しみの尽きることないように

 

 このことがあって以来、富士山は美しいけれども冷たく、いつも雪をかぶって誰も登ることができなくなりました。 

 


一方、筑波山はいつも人々がその山頂にまで行き交い、歌い、舞い、飲んだり食べたり騒いだりとにぎやかな山になったのだそうです。

 

 ここまで書いて「そうか、だから今の筑波山にケーブルカーやロープウエーやバス道路があって、山頂に回転展望レストランほか、めいっぱい店屋があって、ごった返しているのは正解なんだ!」 と私は一人で納得して喜んでしまいました。

 

P.S 

 

 現代に書かれたほかの解説書によると母なる神様が富士山を完成させたとき、あまりの出来映えの良さに我ながら感動して残りの材料をどこかに放り投げたそうです。その投げた材料が適当な所にドサッと落ちて固まり、それが筑波山になり、山頂が割れて2つになったのもそのドサッが原因であるという話もあるようです。 

 

このストーリーではさらに、最後に母なる神様が「ああ、見かけだけで判断していた私は愚かだった。 心の美しさは外面だけではわからないものだ」と反省するシーンもあります。 ただ、この辺のおはなしは私のもっている常陸国風土記の本には見あたらないようなのでまた別の民話なのかもしれません。

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